田んぼと畑が教えてくれたこと ~定年からの農業スタート~
私は65歳で定年して、その後家業の農業を行っていますが、その仕事内容、生活などを紹介していきます。
- ①:定年と再雇用の考え方
②:農業の規模と環境とその内容
③:収入の柱は年金?
と言った内容について私の実際を、写真を交えて紹介してみます。
*田舎暮らしを考えている方には、少しはもしかしたら参考になるかもしれません。
Contents
私のサラリーマン時代は機械と電気のエンジニア
私は現在
「68歳」
まだまだこれからだと思っています。
そういう私は、ここで生まれてここで育って、代々が農業と言う家系。
大学だけは東京に行きましたが、帰ってきてからはここから出たことがありません。
とはいっても、サラリーマン時代は
「CAD」
での金型設計や機械のメンテナンスなど、エンジニアと言う職業でした。
(日本全国と言っていいほど出張で歩きました)
田舎の企業なのかな~~とも思うのですが、大企業に勤務した経験がないので、わからないのですが、私の人生は
「挫折」
の連続だったような気がします。
(私だけでなく誰でもそうかな?)
なので、定年したら折角こういった環境があるので、絶対に俺は定年後
「農業」
をするぞ!
そう決めていました。
が・・皆さん此処で気づきませんか?
普通は
「農業で食っていくぞ」
なのです。
が・・食えるわけありません。
そうです・・ご察しの通り
「年金」
という大きな頼りがいあるの収入があるんだな~~
だから
「65歳」
なんです。
所詮、米と野菜なんてのは経費倒れ。
米なんざ~~純利益(粗利:売上から肥料や農薬や軽油や灯油代などの経費を引いた金額)で、実手取は皆さんの一か月の給料にもなりませんよ。
(1.5haで)
私の労働対価なんてそれしか残りませんから、どこかで書いていました
「時給100円」
が現実的な数字に近いかもしれません。
しかも機械の償却は見てませんし、他には修理代やメンテナンス費用も掛かりますから、ほとんど残りません。
ただし、耕作面積次第です。
あくまでの私の耕作面積でのお話。
*これには後日談が。
JAの概算金が話題ですが、別記事で内容を詳しく紹介します。
実は、65歳から年金が満額支給されてるのですが、勤務は
「フリーランス」
で週三日勤務から、66歳からは
「週一日」
だけの勤務。
今年からは全くのフリーと言う内容です。
66歳からは準備で、畑を主に
「91才」(2024年現在)
のおふくろさんに習って勉強中でした。
なにせ、米は目をつぶってもある程度はできますが、野菜はからっきしダメ。
これは勉強しないと・・
と言うことで、ホウレン草やトマトなど栽培して
「産直」
で細々と売ってました。
でも、現実は65才が私の人生の転機であったことは事実。
気持ちも、すごく楽になった時期です。
再雇用の道もあったのだが‥人生をリセットしたかった理由
勤務していた会社では
「自分の意志」
で勤務を選択できました。
実際は75才の方でも勤務しています。
それだけエンジニアの需要ってあるんだな~~多分。
私の周囲では、同業の会社はほとんどはそうでしたから。
が・私は
①:時間的に自由になりたい
②:農業をやってみたい
③:暇な時期(冬季間)には自分が好きなことができる
この誘惑には勝てなかった。
で・・今に至ります。
農業の基礎となるコメと野菜の耕作面積
私の65歳当時の耕作面積は以下。
- ①:米(ひとめぼれ):面積1.5ha
②:野菜:自給自足
野菜は販売していませんでした。
これを産直で販売してみようと。
2024年に近所の田んぼ(離農の方)を
「0.8ha」
引き受けました。
なので2024年からコメの作付面積は
「2.3ha」
となります。
で・・今年の米の価格には、正直驚きました。
が・・このくらいがいい所かな~~と思っていたら小売りはどうなってんの?
と言うくらいの値上がりで、正直これもまた驚き。
中間がずいぶんと中抜きしているんだな~~と、個人的には感じた次第。
畑はやろうと思えば、減反の田んぼがあるので
「5反」
ほどはできるのですが、実際耕作しているのは
「2反」
ほど。
それも回転のために、常の3分の一程度は空いてます。
こちらは産直専門と、自家消費。
基本的に食べるものでの
「米と野菜」
はほとんどが自給。
なので買うことはほとんどありません。
冬も
①:ジャガイモ
②:人参
③:玉ねぎ
④:白菜
⑤:大根
⑥:ネギ
などなど
は可能な限り保存して食べます。
上の3つは、一年を通してほぼ自給です。
葉物は保存できないので、漬物などで保存します。
味噌と梅干も自給です。
自分ちで作ります。
(梅干を作ってる風景です)
可能な限りの自給生活と言えると思います。
それでも食費はかかりますよ~~
肉と魚やほかにも、例えばカレーや調味料や‥etc
が・都市部で暮らすよりは、圧倒的にコストはかかりません。
農業は素晴らしい仕事!私の日常
3月頃から農業はは始まります。
朝は、6時には起きます。
散歩しながら、田んぼや畑を見て歩くんだな。
4月頃からは忙しいですよ~~
田んぼの世話や、畑を耕起して種をまいたり、とても忙しいです。
この頃の私は、5時半起きで6時からは作業しています。
5月は田植えして、田んぼの世話や畑で総じて5時には起きます。
朝には一仕事しています。
産直は朝が勝負。
朝に収穫して、売るように袋詰めして、朝飯食べたら産直(約30㎞先まで数か所)にもっていきます。
(基本的に2日おき)
帰ってきてから、田んぼの草刈りや水管理など。
畑の回転も忙しいので、一日外にいる感じ。
分らないことは
「おふくろさん」
に聞きます。
91才(2024年現在)ですが、とても元気で畑をやっています。
(タマネギの苗畑)
米はJAと一般買取(地区の大手専門商社)に出荷
米の出荷先は
①:JA
②:地元の商社
に分配して出荷。
実は、これまで商社には出荷していませんでした。
全て「JA」です。
ところが驚くことが。
③:JAの概算金:16,500円の提示。
②:商社:2〇,〇00円の提示
これ見て、皆さんどちらに売りますか?
私はこれでも半分は
「JA」
に売ったんですよ~~
近所では、全数商社に売った強者もいます。
60㎏あたり100売ると約
「50万円」
も違う勘定。
驚いたね。
案の定「JA」には米が集まらなかった。
袋買いに行ったら、みんな暇そうにしていた。
「どうしたの・・なんか不景気みたいだけど」
「実は米が集まらない・・・困った」
と言う担当者。
私が出荷して2週間くらいして
「3,000円」
の追加払いを実行するというアナウンス。
それでも
「19,500円」
で商社には及びません。(実際は私たちには19000円以下)
間が悪いことに、もうそのころは田んぼのほとんどは終わってるし、どうすんのよ??って感じ!
この価格、うのみにしてはいけませんよ~~
からくりがあるんですから。
*それはまた別ページで。
いずれ二か所に分散して出荷しました。
来年もそうなると思います。
JAの会員で株主ですから、全くゼロと言うわけにもいかないんだな‥道義的に。
でも差を見ての判断でしょう。
野菜は産直で販売
(タマネギ畑:産直で結構売りました)
野菜は特定のスパーなどの
「産直コーナー」
で販売。
よくある、スーパーや道の駅などにあるあの
「地元野菜」
と銘うった産直コーナー。
とても好評です。
葉物野菜などは、その日に売れ残らない値段設定にしています。
安くても、売れてくれればやはりうれしいですね。
何よりも、買っていただく方が、喜んでくれればなおうれしいです。
とても好評です。
ネット販売はどうして行わない?
(我が家の保有米:食べる)
野菜は、賞味期限で無理ですね。
芋や玉ねぎは可能でしょうが、量的にそんなではないのでやる気なし。
米はやってみたい気がします。
が・・送料が高くてコスト的にどうでしょうか?
それと、苦情処理が問題。
どこの世界でも、いろんな方がおられます。
ネットで見たのは
*「玄米30㎏買ったけど精米したら28㎏に減ったんだけどなんで?」
って・減るの当たり前じゃん。
すったんもんだのやり取りの挙句・・
結局、その販売者の方はめんどくさいので、精米して
「2㎏」
補填したそうです。
そういう方もいるので、何があるかわからないので、今のところその気はないです。
でもね~~やってみたい気もします。
ここは山奥のへき地。
水は川の源流で、生活排水は一切入らない水で栽培しています。
冷たい水なので、米も好評です。
農業を定年後に選択してよかったことと悪かったこと5選
(我が家の在庫米)
さて・・
良かったこと
- ①:時間的自由がある
②:冬季間は自由だ:それでも結構やることはあるが。
③:誰にも文句は言われない
④:自分次第の生活
⑤:健康的である
いまいちなこと
- ①:収入が不安定:天候次第
②:機械のメンテナンスや買い替えが大変だ!
③:冬季以外は忙しい
④:儲からない
⑤:社会が小さくなった:接する社会がない
良いことの一番はやはり
①:時間的自由
だな。
悪いことと言うか、イマイチな部分は
⑤:社会に接する機会
が少なくなったことかな。
会社に勤務しているときは、それなりに人と接しますし、取引先とのコミュニケーションもあったのですが、それが全くない。
家族と近所や、産直の担当者の方との、二言三言程度の会話。
これはいけないな~~と最近思っています。
かといって、世間にどうやって飛び込んでいくか?
これも又難儀なことだな~~と思うんだっけな~
これは、都市部の定年した私の世代の方にも、共通のことのように感じます。
皆さんは如何ですか?
生活費としての損得勘定:金銭的な内情はどう?
田舎暮らしですから、その良さと言うのは以下に集約されるかと。
- ①:米と野菜はほぼ自前
②:家は持ち家
③:妻はパート
なので、驚くほど生活費は安く済んでます。
年金を頼りにしていたのですが、ほとんどそのまんま。
が・・これで大助かりな現実もあります。
大きな金額が必要になった場面では、特に感謝しかありませんね。
- ①:家の外壁の塗装と作業場の屋根の修理:約〇00万(2022年)
②:乾燥機(35石)と籾摺り機械の購入(中古):約〇50万(2023年)
③:コンバインの購入(中古):約〇00万(2024年)
全て年金に賄っていただきました。
農業機械なんてのは、米の売り上げで買うなんて
「夢のまた夢」
の世界です。
(現状高額過ぎて私の規模ではあり得ません):また新たなページで紹介します。
代々続いてきたので、親父から引き継いで赤字でも
「兼業」
で、週末の休日を犠牲にしてやってきたんだな。
機械の代金は、サラリーマンの給料で購入してきましたから。
それが、今の兼業農家の実態です。
この近所は、ほとんどがそうです。
でもね~~もう限界で、引き継ぐ方はいませんからどんどん
「離農」
していきます。
私の場合も、私で終わりでしょう。
人生の選択としてこの田舎での暮らしに満足?
(今年中古で買ったコンバイン)
「農業」
を取り巻く環境はとても厳しいものがあります。
日本の食はどうなっていくのかな?
いつもそう思っていましたが、2024年の今年は、一気にそのことを考える年になったのでは?
そんな気がします。
スーパーの棚からコメが消えるなんざ~~青天のへきれきに近いですから。(私の主観)
ようやっと、赤字体質の米の兼業農家も、少しは日の目を見るのかな??
そんな気もしますが、巷で言うほどの利益なんざ~~出るわけはありません。
やってるのは、ほとんどが70代前後のお年寄りばっか。
若者で専業は私の地域では
「一人」
しかいません。(8町ほど)
後は全員が70代。
どう見てもあと10年後は、かなりの方が離農するな~~と思うんだっけな~~。
私は、人生の選択として今の暮らしには、とても満足しています。
私の選択はよかったと。
①作る楽しみと
②:売る楽しみ
③:自由な時間
と、望んでいたものの全てではないですが、手に入れた感じが。
田舎の暮らしは、とても性にあってます。
それはそうですね。
自分が生まれ育ったところですから、損得なしに大好きなところです。
でも、ここも相続する人はいませんから、私で切れておしまいでしょう。
3人子供がいますが、孫もたくさんいるのですが、引き継いでくれそうな方はいそうもないです。
田舎暮らしをしたい方にとっては、すべてがそろっていますから理想の場所??
かもしれません。
田んぼ、畑、農業機械、自宅・・皆そろっていて、引き継げば即ここで農業ができます。
など・・勝手な考えですね。
いずれ、私の生活などをここで少しづつ、書いていってみようと思います。
*駅の記事が多いですが、友達がほとんどいないので、せめていろいろ歩いてみようと、電車であっちこっち歩いてみて、そのうち駅の特徴などや写真を撮影していくうちに、記事にして紹介していました。
一人でぶらりと出かけるのも大好きな、初老のおじさんなんだな。
・・・・・・・・・
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*一番上のヘッダーの写真はわたしが撮影した
「毛越寺」
の紅葉の風景です。