虎の威を借る狐の意味や使い方と例文!書き下ろし文でわかりやすく!
虎の威を借る狐とは? 意味は、権力者の力を頼みにして威張る、小者のことを言う故事成語。
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「虎の威を借る輩」はどこにでもいるな!
Contents
虎の威を借る狐とは?読み方と故事成語の意味をわかりやすく!
「虎の威を借る狐」
読み方は「とらのいをかるきつね」です。
意味は以下の解説。
力のない者が、強い者の権威を頼みにしていばることのたとえ。
(故事成語を知る辞典)
強いものの権威をかさに着ていばるずるがしこいもののたとえ。
(ことわざを知る辞典)
権勢を持つ者に頼って、威張る小者のこと。
などの意味を持ちます。
「威」
は、威力と言う意味も併せ持っています。
世の中にはこういう方いますね~~
もしかしたら、身近にもたくさんいるかもしれません。
あなたの会社や、周辺にはいませんか?
虎の威を借る狐の意味を漢字の分析で!
漢字の分析をしてみました。
虎の | 百獣の王はライオンですが虎も似たようなもの |
威を | 威信、力、威力 |
借る | 借りるの文語形 |
えらい、力のある人の威信(ちから)を借りる
漢字では、という意味になります。
漢字で、意味を探ってみると、その真髄が見えてきます。
「虎の威を借る狐」の虎と狐は誰のことを言うか分けてみた!
例えばのお話ですが、以下の解釈。
会社の例:虎 | 上司、社長 |
会社の例:狐 | 部下、子飼い、社長子息や親族など・(上司から可愛がられている) |
例:政治家:虎 | お金握ってるドン |
例:政治家:狐 | 新米政治家で肝いりでかわいがられてる方など・・ |
って、書けば続々と例に上がる方はいますね~~
ネット上の話題には、このことわざに符合する方や話題には、事欠かないと理解。
*例えばの例で他意はありませんので悪しからず。
虎の威を借る狐の語源は「戦国策・楚策」に由来!いつの時代?
「虎の威を借る狐」
のお話は、中国は「春秋時代」の楚の国の
『戦国策・楚策』
の中に出てくる、故事が由来です。
戦国策・楚策の中に虎の威を借る狐の由来のお話!
中国春秋時代というのは、紀元前400年前後を言う、恐ろしく大昔のお話です。
中国の戦国時代です。
『戦国策・楚策』とは以下のような説明です。
『戦国策』(せんごくさく)は、戦国時代の遊説の士の言説、国策、献策、その他の逸話を国別に分類し、編集した書物(全33篇)。前漢の劉向(りゅうきょう)の編。「戦国時代」という語はこの書に由来する。
(wikipediaより引用)
書かれた方は
劉 向(りゅう きょう、紀元前77年(元鳳4年) – 紀元前6年(建平元年))は、前漢の学者、政治家。
(wikipediaより引用)
この時代に、春秋時代の逸話をまとめたんですね~~
すごいですね。
さて・・そのなかに「虎の威を借る狐」はどう出てくる?
以下の記述です。
虎が狐をつかまえて食べようとしたのですが、そこで才ある狐が
「私は天帝から百獣の王になるように命じられているんだ。だから私を食べたりしたら,お前に天罰がくだる。信用できないというなら,試しに私の後をついてくるがいい」 と、言ったそうな。
それではと、試しに、虎が狐の後を歩いていくと,ほかの獣たちがみんな逃げていきました。
実は、獣たちは実際は、後ろにいる虎が怖くて逃げたのでしたが,その時の虎はそれを,狐を怖がって逃げたと思い込んでしまい,狐を食べるのをやめたんだそうです。
というこの逸話・・
なかなか面白いです。
この場合の
- 虎:楚
狐:将軍
のたとえです。
お国がバックで・・現代でも企業のネームバリューに乗っかってるのですが、勘違いしてる方が多いんだな~~
これは、いい例えになるかと。
虎の威を借る狐の漢文の原文書き下ろし文の読み方と現代語訳!
『戦国策・楚策』
の書き下ろしの漢文の内容は以下。
虎以為然。
故遂与之行。
獣見之皆走。
虎不知獣畏己而走也。
以為畏狐也。
この漢文によります。
少しかみ砕くと・・
虎以為然。:虎、以もって然りと為なす。
故遂与之行。:故に遂に之と行く。
獣見之皆走。:獣、之を見て皆走る。
虎不知獣畏己而走也。:虎、獣の己を畏れて走るを知らざるなり。
以為畏狐也。:以為、狐を畏るるなり、と。
なるほど~~です。
虎の威を借る狐のことわざを使う場面の例!
「虎の威を借る狐」
を使う場面を考えてみました。
例ですが、以下のような場面が想定されます。
場面1 | 他人の威光を借りて威張る方を評して。 |
場面2 | 権力を握った上司と子飼いの部下 |
場面3 | 社長子息や親類縁者の横暴 |
場面4 | 規模は大きいが商品が見合わない |
「虎の威を借る狐」
虎の名前を出し、または虎が後ろについているという威信を背景に、好き勝手にふるまう輩がいた場合の、表現として使います。
そういう場面・・結構ありませんか?
虎の威を借る狐の使い方を例文と会話例で!
以下のように例文を作成してみました。
例文1 | 最近A君、言葉使いが変わったのでB君になんで?って聞いたら、部長とべったりで、まるで「虎の威を借る狐」だそうだ。 |
例文2 | Cさんって、どうしてあんなに上から目線?って疑問だったが、父親が有名企業の社長らしい。「虎の威を借る狐」だった。 |
例文3 | 虎の威を借らないと、何も言えない輩は、小物政治家の見本みたいなもんだな。 |
例文4 | 権力を持つ虎には、エサが欲しい狐がたくさん集まってくるもんだ。「虎の威を借る狐」とはこのこと。 |
例文5 | 実力もないのに、アナウンサー合格だってよ~父親が有名俳優だってことで、まさに虎の威を借る狐だな。 |
などなど・・
これ全部、よくあるお話。
会社内の同僚の女性が、最近威張りだしたと思ったら、某部長といい仲になったとか‥そんなお話も、よくあるお話に思います。
これは、以前の会社でもあったな~~と。
虎の威を借る狐の会話例!
以下の会話で。
A君の伯父さんのB課長が、部長に昇進したんだってね。
んだ。それでB君鼻息が荒いんだよね。
へ~~なんで?まさか、虎の威を借る狐にでもなったの?。
そのまさかさ。人事異動でその二人と一緒になったらどうなる?やりにくいな~~。
これもよくある話かと。
普通、親類縁者は、同じ会社は遠慮するもんだけど、世の中狭いですからね。
知らずに・・の場合も結構ありますから。
虎の威を借る狐の類義語と言い換えは「笠に着る」!
「虎の威を借る狐」の類義語は以下。
類語1 | 笠に着る |
類語2 | 便乗する |
類語3 | 人のふんどしで相撲を取る |
類語4 | 利用する |
類語5 | 口実にする |
言い替え | 笠に着る |
などなど・・他にもたくさんあるようです。
言い換え年適当だな~~と思うのが
「笠に着る」
だな。
これは虎を利用して、縦横無尽にやりたい放題。
自分も虎の一人。
地位があれば、またその同等、またはそれ以上の虎も利用できるわけです。
この二つがあれば、最強の渡り歩きが、完成するかもしれません。
まさに、濡れ手に粟状態かも。
虎の威を借る狐の反対語は「是々非々」!
「虎の威を借る狐」の反対語を考えてみました。
さて?
本来の意味が権力を持った人に頼って、威張る人を表してますから、そういうことをしない人が、その反対の方。
全くのこじつけですが、正義感が強く物事を、良いことは良いという評価、悪いことはそれなりに。
正義感を持った方が、その反対の方に思います。
言葉が思いつきませんが
「是々非々」
的な方ではないでしょうか?
抽象的ですが、これで。
これが、反対語とは言えないかもしれませんが、参考程度の私個人の考えという事で。
*確たる反対語は、無いようですね。
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・・・・・・・・・
虎の威を借る狐を英語で表現するとどうなる?
虎の威を借る狐を英語で表現すると以下。
1:The ass in a lion’s skin
がありました。
これいいですね。
the ass in the lion’s skin.
(虎の威を借る狐:強そうにふるまう臆病者)
他には、例文で数点。
A fox that borrows the authority of a tiger.
Person who swaggers about under borrowed authority.
(虎の威を借る狐)
(DMM英語)
例文の注釈ですが、普段は使わないことわざとあります。
そういった意味では、簡単な
1:The ass in a lion’s skin
がいいかもしれません。
此方は、イソップ物語からの抜粋。
「虎の威を借る狐」ビジネスの世界!
最近読んだ面白い記事。
50代の転職です。
私も丁度50歳で転職した口なので、実感として感じ入るところがありました。
その方は大手企業の部長さん。
転職をしようと「ハローワーク」に行ったときのお話。
- ➀:あなたは何ができますか?
➁:この給料に見合う仕事は何ができますか?
➂:一つの部を立ち上げてマネージメントできますか?
➃:50歳からの先は企業の評価はゼロに向かっていく。
などなど・・要は、あなたの現在は大手企業勤務の部長という立場だから、存在している。
それをとればただのおっさん。
今はふんぞり返って、部下を叱り飛ばして、檄を飛ばしているが所詮
「虎の威を借る狐」
にふさわしいと。
本人はさぞかし今の立場からしたら
- 「引く手あまただろうな~~」
と思ったそうですが、全く逆。
いらない存在でした‥というお話。
特に50歳を過ぎると、転職の景色はがらりと変わるとか。
たしかにな~~と。
ビジネスの世界では、無意識のうちに会社のネームバリューという
「虎の威」
を借っているんだな~~と納得した次第。
「虎の威を借る狐」を実際に利用して成長した偉人勝手なチョイス!
歴史的な
「虎の威を借る狐」
を利用して出世した
1:戦国時代の武将
②:明治時代の偉人
を各3人上げてみました。
これは私の勝手な推薦です。
「虎の威を借る狐」を実践して出世した戦国武将
1:羽柴秀吉(豊臣秀吉)
羽柴秀吉は、織田信長の家臣として出世し、その後、信長の死後に権力を握った人物です。
秀吉は
「信長」
に仕官してから、その威光を借りて一気に出世しました。
信長が死去した際、秀吉は信長の遺産を利用し、最終的に
「天下を取る」
ことに成功しました。
彼は
「虎の威を借る狐」
的な出発点から始まりましたが、その後、巧妙な政治手腕や人心掌握術を駆使し、豊臣政権を築き上げました。
2:石田三成
石田三成も、最初は
「豊臣秀吉」
の家臣として台頭し、その威光を借りて出世しました。
三成は秀吉に忠誠を尽くし、政務を任されることになります。
秀吉の死後、彼は豊臣家の後継者である
「秀頼」
を支える立場にあり、関ヶ原の戦いで西軍の総大将となります。
しかし、戦の結果、西軍は敗北し、三成は捕らえられ、処刑されました。
「虎の威を借りた立場」
が、最終的には自らを滅ぼす原因となったのです。
3. 斎藤道三
斎藤道三は、
「美濃の戦国大名」
であり、最初は商人から身を起こして武士の地位に上り詰めました。
彼はその出自を活かして巧みな政治と謀略で勢力を拡大し、最終的には美濃を支配する大名となりましたが、彼の出世には周囲の大名やその時の上司の力を巧妙に借りることもありました。
特に、斎藤道三は若い頃、父親の
「斎藤実盛」
の威光を借りて周囲の大名との関係を築き、その後、独自の力を築いたものの、最終的にはその後継者に当たる息子の義龍に裏切られるという形で敗北します。
彼もまた、
「虎の威を借る狐」
的に周囲の力を使いながら出世した人物と言えます。
「虎の威を借る狐」を実践して出世した明治の偉人
1. 伊藤博文
伊藤博文は、明治時代の日本の政治家であり、
「初代内閣制度」
を設けた立役者です。
彼は長州藩の出身で、藩内での人脈や、薩長同盟を結んだことによる薩摩藩とのつながりを活かして出世しました。
特に、明治維新を成し遂げた後は、
「長州藩の勢力」
を背景に政治活動を展開し、初代内閣制度を創設し、内閣制度の確立に貢献しました。
最初は、長州藩というバックグラウンドを活かし、政府内での強いポジションを確保しましたが、その後は自身の
「政治的影響力」
を拡大し、最後は日本の近代化を支えた政治家として高く評価されました。
2. 山県有朋
山県有朋は、明治時代の日本の軍人・政治家で、初代内閣制度創設に携わり、また日本陸軍の発展に貢献した人物です。
彼もまた、
「長州藩」
の出身であり、その藩の軍人としての強いバックグラウンドを活かして、軍事や政治の分野で出世しました。
彼は、薩長同盟や明治維新を背景に、政府内で要職を歴任しました。
特に、日本陸軍の近代化を進める上で、
「長州藩の威光」
を借りる形で自らの政治的立場を強化しました。
最終的には内閣制度に深く関わり、日本の政治を牽引する存在となりましたが、最初は長州藩の力を利用して出世したと言えます。
3. 渋沢栄一
渋沢栄一は、日本の
「実業家」
であり、明治時代の日本における近代資本主義の父と称されています。
彼は、徳川幕府の末期に生まれ、幕府の要職に仕官していた経歴を持ちながら、明治時代に入ってからは
「民間企業の設立」
や近代的な経済構造を築くために尽力しました。
渋沢栄一の出世は、幕府時代の経済活動や、その後の明治政府とのつながりを背景にしています。
彼は新政府に取り込まれ、政府と民間の
「橋渡し」
をする形で出世し、最終的には日本経済を改革する重要な人物となりましたが、その背景には幕府時代の人脈や政府との協力が大きな役割を果たしていたと言えるでしょう。
どの方においても、一代で地位や名誉や財を築い方。
まじめにコツコツではなかなか・・
虎の威を借ることで一気に飛躍した‥そんな感想を持ちます。
虎の威を借る狐になった経験は?感想とまとめ!
「虎の威を借る狐」
について、以下の表にまとめてみました。
意味 | 権力者の力を頼みにして威張る、小者のことを言う故事成語 |
語源 | 『戦国策・楚策』の逸話 |
使う場面 | 権力を持つものの威光を利用する場面 |
使い方と例文 | 虎の威を借らないと、何も言えない輩は、小物政治家の見本みたいなもんだな。 |
類語 | 笠に着る、便乗する、人のふんどしで相撲を取る、利用する などなど |
言い替え | 笠に着る |
反対語 | なし・ |
英語表現 | The ass in a lion’s skin. |
これは良くある、日常にも感じます。
意味のおさらいです。
力のない者が、強い者の権威を頼みにしていばることのたとえ。
権勢を持つ者に頼って、威張る小者のこと。
虎の威を借る狐に該当する方は、基本
「小者」
実力がないから、人の信望がないから虎の威信を頼りにしないと、自己主張ができないわけです。
ある意味、ちょっとかわいそうな方かもしれません。
私は、この記事を書いていて、そんな風にも思います。
虎の威を借る狐になった経験はある?
さてね~~
中堅社員だったころに、よく部長にはかわいがれていましたから、無意識にそうだった頃があるかもしれないな~~
でも、意識的には記憶にないな~~という、自分の結論です。
おやじも、普通の人・・親戚にえらい方もいませんし、政治家なんて縁もゆかりもありません。
基本、このことわざのような
「虎の威を借る狐」
になってはいけないと思うんだな~~
利用すれば、その段階で価値が下がるような気がしますから。
人を利用しないと、何もできないみたいな・・
最後の最後に使う、奥の手に残しておきましょう。
が・・もし自分に「虎」や「ジョーカー」があればの話ですが!
・・・・・・・・・・・・
顰蹙を買うとは?
意味や、使い方や語源のお話です。
顰蹙を買うとは?読み方や意味と使い方を例文作成で!英語表現は?
途轍もないとは?
とてつもないの意味と使い方を例文作成で!語源や英語表現の考察!
意味や、使い方などの考察です。
私にとって、途轍もないことって?
そんなことも。
*自分の主観を多分に入れて書いてますので、???な部分があっても容赦ください。
ヘッダーの写真は庭のエビネランの写真です。
今年もきれいに咲きました(2021年です)